WG1:未病・先制医療PJ INTRODUCTION

予防・先制医療

WG1:未病・先制医療

内野詠一郎

WG1 代表
内野 詠一郎

PJ01健康診断データによる発症予測

健康診断データから、数年以内に(2型)糖尿病を発症する確率を予測する。時系列モデルに健康診断データを学習させることで、健康診断を受けていない等、現実では十分起こり得る欠損値があった場合にも適切に補間し予測精度を維持するモデルを開発、検証する。この結果、人工知能による発症確率が高い患者の抽出や、今までは見逃されていた患者の早期発見を目標としている。

PJ02マイクロバイオーム・オミクスデータ解析

腸内細菌などのヒトと共生する細菌叢(マイクロバイオーム)が、多くの疾患発症と関連しており、このマイクロバイオームの解析により疾患発症等の予測が可能になると期待されている。本プロジェクトでは、同一被験者におけるマイクロバイオームと健診データの関連を探索し、疾患の発症及び重症度を予測するモデルを機械学習技術により作成、検証する。これらの成果は、病気の予防・治療における医療の質の向上に貢献できるものと期待される。

PJ03デジタルヘルス

1. SNS・ライフログ

近年ゲノム解析の低コスト化を背景に、個人向けのSNPs解析サービスによる疾患予測が提供されつつあり、また健診データなどを活用した疾患予測も提供されているが、主には臨床検査値を活用しており、年に1度の問診情報では十分な生活習慣行動が取得できていない。本プロジェクトでは、遺伝性疾患ではないと考えられる風邪に注目し、より細かな日常行動データをSNSデータから取得し、風邪の発症予測モデルを構築することを目的としている。

2. 服薬・健康情報基盤

処方薬の服用をモニタリングするシステムを構築し、医療者と患者のコミュニケーションを密にすることで患者のアドヒアランス(患者が治療方法について十分理解し、納得した上で治療を実施・継続すること)を向上させる。服薬指導とアドヒアランスのデータをAIで解析することにより、将来に向けて効果的な服薬指導の自動化システムの構築を目指す。