京都大学 大学院医学研究科/理化学研究所 計算科学研究センター HPC/AI駆動型医薬プラットフォーム部⾨
2016年11月、ライフインテリジェンスコンソーシアム(LINC)はアカデミアの触媒機能により、IT業界とライフ業界の連携を促進し、AI戦略によるライフ業界の産業競争力を加速するために立ち上がりました。この間、多くの方にご参加いただき、2020年4月には「第2回 日本オープンイノベーション大賞 厚生労働大臣賞」を受賞するなど、大きな成果をあげることができました。2021年4月からは、一般社団法人ライフインテリジェンスコンソーシアムとして活動を行っています。
新法人LINCでは、研究開発の他に、AI/データ基盤の構築、ライフサイエンス分野におけるDXのシンクタンク機能の確立や人材育成の一層の充実化を進めてまいります。また、活動領域は製薬だけでなく、ヘルスケア、化学、食品、農業など広くライフサイエンス分野に拡大し、より一層の貢献を進めてまいります。
世界に誇れる我が国のライフサイエンス分野の発展に貢献するLINCの活動にご期待ください。
大阪大学 蛋白質研究所 蛋白質ネットワーク生物学研究部門 計算生物学研究室
人工知能 (AI) 技術の普及には、まずツールとして誰もが使えるものにするというフェーズがあると思います。これまでのLINCの活動で、製薬企業研究者と IT企業エンジニアとの間で密なコミュニケーションの形成が行われました。これにより、AIが他の実験ツールと同様、創薬研究を含む生命科学、化学などの研究者誰もが身に付けておくべき技術の一つになるという理想に一歩近付きました。しかし、この究極の目的の達成にはまだ距離があり、今後も一層の努力を重ねることが必要です。一方で 、AI は単に人ができることをより速く、より正確に行えるツールであるということを超えたポテンシャルを持っています。すなわち、人が全くできないことを実現する、また人に対して新たな理解や知識を与え得る、これを実現するフェーズに向かうために、これからのLINCは重要な役割を果たすと思います。 また、創薬研究そのものも、これまでの分子設計を中心とした創薬から、予防から予後管理までトータルでのヘルスケアに向けたシフトが急速に加速しています。これまでの活動の経験を生かして、創薬を含む幅広い分野において、従来とは全く異なる研究様式を確立するために、これからのLINCが重要な役割を果たしていくことを期待しています。
理化学研究所 生命機能科学研究センター 制御分子設計研究チーム
医薬品はターゲット探索、ヒット探索、ヒットtoリード、リード最適化、前臨床、臨床試験という多くの段階を経て研究・開発されますが、全体の成功率はわずか数%程度です。これらの創薬の過程を効率化するために分子シミュレーションや機械学習などの計算科学的手法を用いる試み(いわゆるインシリコ創薬)が1990年代以降行われて来ており、タンパク質の構造解析技術の向上、計算機の性能の向上、計算手法の革新が進み、創薬の現場でも実用的な技術として定着しています。しかし、従来のインシリコ創薬では創薬過程のごく一部しか効率化できませんでした。
2016年に開始された第一期のLINCでは、多くのライフ系企業、IT企業が参集し、異なる専門分野の研究者たちがコミュニケーションを取りながら積極的に各課題に取り組みました。その結果、多くのプロジェクトにおいて、世界的なレベルのAIに到達することができ、一部は、オリジナルなアイディアによる他に例のないAIも創出されており、製品化もされました。一方、創薬の現場で実用的なAIを開発して社会実装するためには、企業秘匿データを含む膨大なデータの利用と本格的な開発費の確保が必要になります。新LINCにおいては、引き続き、コミュニケーションや勉強会という意味合いを維持しつつ、国プロなどの内外の地取り組みと連携しつつ、「現場で実用的なAI」を生み出す母体となることを目指すことになります。
名称 | 一般社団法人 ライフ インテリジェンス コンソーシアム(LINC) |
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住所 |
〒530-0011 TEL:06-6359-1322 |
URL | https://linc-ai.jp/ |
設立日 | 令和3年(2021年)1月14日 |
役員 |
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事業内容 |
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入会案内 | |
定款 |
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競争的資金の 不正防止への 取り組み |
一般社団法人ライフインテリジェンスコンソーシアムは、「競争的資金運営管理、不正行為防止規程」を定め、競争的資金等の適正な取扱いと不正行為への適切な対応に努めます。 ・01_競争的資金運営管理、不正行為防止規程.pdf.pdf 【研究不正に関する告発・相談窓口】 |